閑古鳥屋の2019〜2020海外旅行記 @ラテンアメリカ、中欧

閑古鳥屋といっても、店は開いていません。コマツシンヤさんの漫画から借りました。2019年に南米に飛び立つところから記録をつけ始めました。内容が面白いかは置いといて、とりあえずオンライン上に旅日記みたいにして残せるのは素晴らしいです。30代、東京出身、文学部卒。大学院での専攻はラテンアメリカ文学。

ブエノス・アイレス ④ パレルモ・レコレータ地区 〜 ハイソな文化地区でしたよ〜

前回はボカ地区に行った話でした。今回はブエノス・アイレス篇の最終回です。洒落た街並みのパレルモ地区&レコレータ地区へ行ってきたお話を致します。

 

パレルモ地区は作家ホルヘ・ルイス・ボルヘスが生まれ育ち、好んで作品の舞台に設定していたエリアですね。知らない方に説明すると、ボルヘスはアルゼンチンを代表するというよりは世界的な大作家です。彼が愛したこのエリアにも当時ならず者がたくさんいたようですが、今では長閑で公園が多く、アパレルショップや洒落たブックストアが立ち並ぶようなファッショナブルシティーです。レコレータ地区も同じく高級ブティックや高層マンションが立ち並ぶ、ハイソなエリアですね。国立美術館や著名人が埋葬されているレコレータ墓地もあり、観光客が多く訪れます。

 

まずはレコレータ墓地へお出かけしました。墓地とはいえ観光スポットのため、周辺含めワイワイガヤガヤしていました。1番人気はエビータことエヴァ・ペロン元大統領夫人の墓でした。あとは人影まばら。

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こちらはボルヘスの盟友、ビオイ・カサーレスの墓。
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一等地に位置する墓場なので、墓を維持するため費用が高くつくのでしょうか。中には荒廃している墓もありました。
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レコレータ地区の国立美術館はあえてスルーし、国立装飾美術館のみ訪ねました。アンティークショップやネルーダの家で豪奢な装飾品等を見て、南米の富裕層が好んだそれらの品々に興味を持ちました。ブエノス・アイレスでは後ほど紹介する予定のラテンアメリカ芸術美術館をはじめ、いくつか美術館を訪ねていますから、まあもういいかな‥というのも正直ありました。

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装飾美術館の入り口。併設のカフェは賑わっており、店内も良い感じ。
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展示品や内装はなかなか興味深く、当時の富裕層の暮らしが伺い知れます。今はもうこんな豪奢な暮らしを誰もしていないでしょうが、古い物を愛する精神は今もブエノス・アイレスっ子に受け継がれていますね。

 

こちらは同じくレコレータ地区の国立図書館です。市民でないと入れません、たぶん。私はアホなのでうまいこと入りこんでしまいましたが、出るときに怒られましたよ。皆さまそこは気をつけましょう。

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ハンマーヘッドみたいな建築物。
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当時はアルベール・カミュに関する展示が行われていました。カミュはアルゼンチン滞在経験があるみたいですね。サンテグジュペリといい、アルゼンチンとフランスはなにか結びつきがあったりしたのかしら。また、写真の女性はオカンポさん。カミュを呼び寄せたり、アルゼンチンの文壇をまとめあげたりと、かなりやり手の編集者だったみたいです。

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たまたま見つけた面白い建築物。落ちそう〜

 

そして、隣のパレルモ地区に移動。腹が減ったので、ランチですね。今回はお洒落なカフェ、B-BLUEで。

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ランチセット。ニョッキとレモネード、デザートに鉄観音茶まで!さすがアンティークの国。普通ドリンクは別料金の場合が多いですが、ここはランチセットに含まれています。
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窓の外の眺め。今でもなんとなく覚えている光景。
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パレルモ地区の奥まったあたりの通り。ここらへんは東京の代官山に似たような雰囲気。

 

パレルモ地区の奥まったエリアから駅の方へ戻ると、あたり一帯高層マンションや公園が広がっています。
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ここらでの1番人気は、やはり先程ちらっと言及しましたラテンアメリカ芸術美術館でしょう。
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私が訪問した時期には、レアンドロ・エルリッヒの企画展が行われていました。日本でも有名なブエノス・アイレス生まれのアーティスト。森美術館でも企画展をしていましたね。金沢21世紀美術館では、常設展示を楽しむことができます。
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有名なプールのインスタレーション
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最初のエレベーターからかましてくれます。
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ゴーストな教室のやつ
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いないのにいる美容室なやつ
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本国でもエルリッヒは大人気で、みんなカシャカシャ写真を撮りまくっていましたね。

常設展も充実していました。
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コロンビアの人気画家ボテロの作品。人物がボテボテしているのが特徴的だね
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メキシコの画家ディエゴ・リベラの作品
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??
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???
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個性的な作品群、とても楽しめました。なんとなくラテンアメリカ的な作風をふんわり掴んだ気がします。それは、とにかくエネルギッシでエロティック、かつ過剰であることではないでしょうか。

 

公園地区にはスペイン人記念碑やガリレオ・ガリレイプラネタリウムなどが点在していました。あいにく訪ねた日は強風で寒く、人はほとんどいませんでしたが。

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この公園地帯からコスタネーラ大通り沿いへ抜けられます。
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コスタネーラ大通りを歩いていると、ラ・プラタ川を眺められる場所に出られます。大通りは地球の歩き方でも紹介されているので、散歩しに行く人も多いでしょう。ただひとつ気をつけなければいけないのは、コスタネーラ大通りを歩いてレティーロ地区まで移動しようとすると、通行止めを迂回しようとしたりなんかして進んでいくと、最後はバスターミナル裏のスラム地区につながってしまうことです。私は、まあまんまと入り込んでしまいました。建物がボロボロなのはもちろん、たむろしている人々の雰囲気も他と違うような印象でした。写真なんかは1枚も撮れません、怖くて。それでもなんとか大通りに戻れ、歩道のない道で車がぶんぶん走る横を歩き続け事なきを得ました。

 

夜、パレルモ地区でライブ鑑賞に行きました。Alternativa teatralというライブハウスで、わりと前衛的な音楽を楽しめます。ライブハウスにはカフェが併設されていて、そちらでもライブを行っています。音響などはライブハウスの方が良いと思いますが、カフェのライブは酒やつまみを楽しみながら演奏を聴けるのがポイント。私はカフェのライブを楽しみました。

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瓶ビールは1ℓ!でかい

 

聴いたのは、バンドネオンとピアノのデュオによる、現代タンゴの演奏。とても楽しめたし、チケット代は約400円とかなり安かったです。観光客向けでなく、地元の人たちが楽しんでいたような感じで、それが良かった。ここで注意ポイントふたつめです。ブエノス・アイレスの地下鉄は終電が早く、23時過ぎには閉まってしまいます。そのため、私はここから約2時間かけてサン・テルモの宿まで帰るハメに。
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まとめ

今回私はブエノス・アイレスに10日間滞在しました。昔懐かしのヒッピーの溜まり場でもなく、大都会であるブエノス・アイレス。なのに、旅の途中でこんなに長く過ごすことができたのは新鮮でした。ブエノス・アイレスは最高でした。また来ます。

 

次回はアルゼンチンからパラグアイを目指します。その後はついに、今回の旅の最終目的地イグアスです。

 

¡Hasta luego!