サンティアゴ ② 旧市街散策
前回はキンタ・ノルマル公園へ行きました。サンティアゴの中心地は、大統領官邸等の主要機関がある旧市街で、キンタ・ノルマル公園から東に数kmの位置。健脚ならばそれぞれ歩いて移動することも可能な距離です。時間にして20〜30分くらい。
旧市街の中心はアルマス広場。とても広く賑やかです。広場を囲んでレストランやカフェなどが並んでいます。
そこから少し南側に移動すると、1973年のクーデターの舞台になったモネダ宮殿があります。元々は造幣所だったことからこの名前がつけられたらしい。周囲の建築物には弾痕のようなものがあり生々しい。今はモネダ宮殿の地下は文化施設になっており、宮殿前の広場も表面上は和やかな雰囲気。
広場近くにあるのは、プレコロンビア芸術博物館。ここは展示物のボリュームがすごく、レベルも高いです。プレコロンビーノですから、先スペイン期の中南米文明に関する発掘物が展示対象です。ここもじっくり観ていったらキリがないですな。サンティアゴのミュージアムでは、ここの博物館と記憶の記念館は絶対訪ねるべし。
こちらは企画展。現代作家による、フォークロアな織物からインスパイア系のアート。そうはいってもなかなか素晴らしい作品群で、色合いや質感、量感なんかがなんとなく良かった。
もちろん、首都にはたいがいある国立美術館にも行きました。建物は立派ですが、展示は他の都市にある国立美術館に比べると少し物足りなくは感じました。
サンティアゴの食事についても少しふれておきます。チリは太平洋に面した縦長の国なので、海の食材が豊富。内陸国のボリビアから来たため、一刻も早くシーフードを口にしたいところです。そんなわけで、旧市街を北上し、向かうは中央市場。そこではウニをたらふく食べられるとの噂。
市場の中は呼び込みが激しい。けれど、どの店もたいして違いはなさそうでした。ウニがあるかだけを確認してなんとなく食べる店は決定。ちなみにウニはスペイン語で、erizo de mar 。あまり英語は通じないので、覚えておきましょう。
大量のウニ!ただレモン汁と塩の味付けのみですぐ飽きます!醤油が置いてある店なら尚良しでしょう。1人前で軽く2年分くらいのウニが食べれます。魚フライ定食は店員と会話がうまく噛み合わなかったために提供されてしまいました。スープは具沢山でパンに合いますが、こちらも少し単調な味。ビールやワインのお供用ならばおススメ。
余談ですが、市場の外にはエンパナーダの専門店があり、とても美味しかったです。人気店は大繁盛で行列ができているので、行けばすぐわかります。
市場からは少し歩きますが、日本食が少し恋しくなった頃合いなので、ラーメン屋に行きました。RAMEN KINTAROさん。担々麺とチリ名物のサーモン定食!
少し高いですが、サーモンは絶品!しかし海外のラーメンはなぜか高いですよね。
日本人のスタッフや、日本語のできる方もいました。アルゼンチンの通貨レートがかなり下落していて、ドルを持って遊びに行くとかなり楽しめるという話も聞け、期待が少し膨らみました。
最後にサンタルシアの丘から眺めたサンティアゴ市街の写真です。混んでて登るのが大変だったわりにはなにもなかったですが、高い場所から街を見下ろすのは旅の醍醐味のひとつですからね。
チリは南米の中でも経済が安定しています。古くから銅の生産国として知られ、ワインなどの食糧品の輸出も堅調です。首都であるサンティアゴは、その分人が溢れ、高層ビルも立ち並んでいます。
しかし、ペルーやボリビアの、原始的なエネルギーに満ちた良い意味でカオスな都市で暮らす人々に比べ、うまく社会に順応できず、病的な状態になっている人がいるように感じました。というか、東京を出発して以来、ストレスでおかしくなっている人を南米で初めてみました。南米はなんでも飲み込んじゃうというか、清濁併せ呑むような感じで、浮浪者だろうが少し変わった人だろうがその内側に包容してしまう懐の深さを感じていたのですが、サンティアゴでは疎外された人がいるのがショックでした。頭から急に水をかぶって周りから白い目で見られる人もいましたし、カフェで物乞いに来るひとの目にも狂気を感じました。東京がその最たるものだと思いますが、高度に経済が進んだ社会では、そこから取りこぼされて疎外され、おかしくなる人々が必ず生まれてしまうものだと実感しました。
次回はアートな海辺の街、バルパライソ へ!チリの国民的詩人パブロ・ネルーダゆかりの街です。
ではまた